こんにちは、長岡京店のオゴウです。
今回は、当店しかない面白いものを紹介します。
Thomas Goode
イギリスにあるThomas Goode、みなさんご存じでしょうか。
ロンドン メイフェアにある高級テーブルウェアの老舗として有名です。
1827年の創業よりおよそ2世紀にもわたり、各国の王室に、世界中から選りすぐられたテーブルウェアをおさめ、今もなお、2つのロイヤルワラント(英国王室御用達。王室に物品やサービスを収める企業や個人に授けられる証。)を保有しています。
そこのウィンドウに飾られてあるのが、Thomas Goode エレファント。
イギリスの陶磁器メーカー ミントン社によって制作されました。ヴィクトリア様式の建物にかかげられたロイヤルアーム(ロイヤルワラントの保持者が掲げることのできる紋章)とともに、Thomas Goodeのシンボルになっています。
これはそのレプリカ、キャンドル製になっています。
パーツが3つに分かれており、ゾウのおなか部分にキャンドルが入るようになっているので、灯りをともすとぼんやりと像が浮かび上がる?のかも。
ミントンとThomas Goode
1793年にトーマス・ミントンによって創業されたミントンは豪華な金彩を施した食器を生み出し、1856年に王室の御用達となります。1870年代にはロンドンのリーテーラー Thomas Goodeと強いコネクションを持つようになり、その関係は当時パリで開催された万博でミントンが展示した品々をThomas Goodeが全て買い占めたという記録からも伺い知ることができます。
同時代に開催されたロンドン万博でミントン社が展示したパリッシーウエアが高い評価を獲得し、そのスタイルがイタリアのマジョリカ焼と似ているところから、「ヴィクトリアン・マジョリカ」として人気を博すようになりました。そしてマジョリカ焼はウエッジウッドをはじめとするイギリスの主要な陶器メーカで盛んに生産されるようになります。Thomas Goodeはミントン社に、自社のショーウインドウを飾るにふさわしいマジョリカ焼の象の制作を依頼します。ミントンのもつ技術を駆使して完成したマジョルカ焼の集大成ともいえる優美で豪華な2頭の象は、1889年のパリ万博に展示され、その後今日にいたるまで1世紀以上の間、メイフェアのThomas Goodeのショーウインドウを飾りつづけています。
レプリカ制作へ
そして現代、Thomas Goodeは、フランスの高級キャンドルメーカー Point a la ligne(ポアンアラニーリュ)へ、今度は、このマジョルカ焼の象のキャンドル製レプリカ制作を依頼します。オリジナルの緻密な細工やマジョリカ焼の特徴的な多彩色がPoint a la lingeのもつ造型、彩色といった高度なキャンドル製造技術によって、細部に至るまで蝋で表現しつくされた、オブジェキャンドルの最高傑作といえる逸品が完成しました。
Thomas Goodeのエレファントキャンドルに灯された炎の明かりは、ヴィクトリア王朝時代から2頭の象が見守りつづけたロンドンの過去から現代の情景を照らしだすことでしょう。
今なら当店の奥にある「マルチファンクションルーム」にてご覧頂けます。
ル・ノーブルでも一つしかないこちらのキャンドル、ぜひ一度ご覧下さいね。