工房探訪記-バーレイファクトリーツアー(後編)

こんにちは、ル・ノーブル仕入課の新入社員です。

バーレイファクトリーツアーの続きです~!


いよいよ柄のプリントです。
こちらは、柄のパターンが、銅板に彫刻されたものです。この円筒形の銅板で、転写紙に柄を印刷します。

デザインが印刷された薄い転写紙を、素焼きした器に一枚一枚手で張り付けます。薄い転写紙が洗濯物のようにたくさんつるされていました。こちらの工程は丁寧な作業が必要なためか、女性の職人さんが多い印象でした。



銅板転写の方法はスポードの記事でもっと詳しく紹介しますので、お楽しみに!

焼成します
こちらの写真は昔のボトルオーブンが使われていた時代を再現したものです。ボトルオーブンで焼くときは、サガー(Saggar)という陶器の入れ物に入れて焼きました。サガーは器を支え、また煙や煤から器を守ります。サガーの中には器を何枚も入れるため、重量が25kgにもなったそうです。これをボトルオーブンのなかに一つ一つ積んでいきました。

 

 


器はサガーに入れる前に釉薬をかけます。
釉薬をかけた器は、サガーの中で器同士がくっつかないように間に小さな部品を挟んで支えます。カップやプレートの裏を見ると3つほど釉薬のかかっていない点がついていることがありますが、これは不良品ではなく、この小さな部品の跡なのです。

再び焼成します。
窯の火の調整はファイアーマンと呼ばれる人たちが行いました。高度な技術が必要で、彼らは窯の中で風戸を動かして温度をコントロールしなければならないため、日夜休みなく陶磁器が焼きあがるまで働きました。1900年代までは、制作にかかわるすべての従業員は窯から出てきた完成品の出来で給料が支払われていたため、この最後の工程はすべての従業員に影響を与えました。

焼きあがると窯の中からサガーを取り出します。窯の温度が下がらないうちに取り出さなければならないため、熱い窯の中で作業をする危険な仕事でした。取り出し担当の人はジャケット5枚とコート3枚を着て、頭には濡れたタオルを巻いて熱さに耐えました。熱いサガーを頭の上にのせるため、若いうちから髪がなくなって、てっぺんがハゲてしまうそうです。。大変なお仕事です。。

完成!


バーレイではほとんどの工程を、人が手作業で行っており、昔ながらの伝統的なやり方が現在でも継承されていることが分かりました。ビクトリア時代の職人がタイムスリップして来てもすぐに働けるというほど昔から全く変わっていないそうです。私たちの手元に陶磁器が届くまでに、何十人もの職人さんが携わって手間暇かけて生産されています。

バーレイの陶磁器は、職人が一つ一つ手作業で製造しているため、一つとして同じ模様の付き方や色をしたものはありません。色がかすれていたり、模様が少し重なっていたりしてもそれは必ずしも不良品でというわけではありません。一生懸命作業しておられる職人さんの作り方を見学して、機械での大量生産とは違う手作りの温もりを感じました。

おまけ
Bath House
20世紀頃までは一般の労働者階級の家庭にはお風呂はなかったのですが、ファクトリーには共用のお風呂があり、その建物をバスハウスと言いました。

日本人的な感覚だと、銭湯のように大きなお風呂にみんなで一緒に入るのかなあと想像していましたが、1-2人しか入れない小さなお風呂でした。

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