ブランベンジャロン工房記

タイの首都バンコクから西へ約70kmのサムットサコーン県に、ベンジャロン焼の工房「ブランベンジャロン」があります。サムットサコーンとは「海・河川の町」という意味で、海までわずか2キロの川の河口に位置しています。今ではタイの伝統工芸品の代名詞ともいえるベンジャロン焼ですが、もともとは明の時代の中国で製造されていたというルーツを持っています。ちなみに、ベンジャロン焼というとピカピカの豪華絢爛なイメージがありますが、初期のベンジャロン焼には金彩がまったく使用されておらず、時代によってベンジャロン焼にもさまざまな柄があります。

ブランベンジャロンは伝統手工芸であったベンジャロン焼を製品化した会社のひとつで、2008年にはタイ国首相輸出企業賞でOTOP輸出企業賞を受賞されました。(OTOPとは、One Tambon One Productの略。「一村一品」という意味で村ごとに特産品をつくることで経済の活性化を図ったタイ政府が主体となった運動です。)

工房前の看板には「Klongmadua村のベンジャロン焼の製造工程見学と商品の購入ができます。」とタイ語で書かれています。右側の写真はOTOP輸出企業賞の賞状。

二階の工房を見学させていただくと、下書きや、転写紙を使用せずに、タイの伝統的な紋様が白地の磁器に金彩で描かれていきます。この作業には熟練職人の高い技術と経験が必要とされ、ベンジャロン焼の製作工程の中でもっとも難しい工程です。金彩には12金が使用されます。

作業台の上には絵具と絵具専用の筆が並べられています。顔料と水とモルタルを、色付けに最適な状態に調合した顔料を使用します。幾種類もの顔料がありますが、使用されるのは主として5色。アーティストによってデザインされた図柄の各部に指定された配色に従って慎重に色を載せていきます。

緻密な図柄に少しずつ、正確に色付けを行っています。技術と根気のいる作業です。

見学を終えて、1階のショールームへ。工房の方にベンジャロン焼の一つ一つの紋様について説明をいただきながら、先に選定を行った、ボーンチャイナのカップ/ソーサーやプレートのシェイプに合う柄を選んでいきます。残念ながら小箱はオーダーに至りませんでしたが、こんなかわいいハートやスターシェイプの小箱も。

商品の製造工程の画像を送っていただきました。ブレス レイン恵みの雨。空から大地に優し降りそそぐ雨にインスピレーションを得てデザインされたブランベンジャロン工房オリジナルの柄です。

 

どんどんと色が重ねられていき、目の覚めるような鮮やかな絵付けが職人たちの手によって描き出されていきます。

絵付けの繊細さや色の鮮やかさ、ぜひ実物を見ていただきたいと思います。お店のブログでもご紹介されると思いますので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。

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